空手道本土普及の功労者(武は平和の道)

 近代空手道の父
  船越 義珍(ふなこし ぎちん)(教育者、空手家)

 船越義珍(出身:沖縄県)は戦争及び喧嘩に対して反戦思想を強く持つ、平和主義思想の武道家である。1885年沖縄県尋常師範学校入学、1886年那覇尋常小学校教員に採用(校長歴任)、小学校教員の傍ら安里安恒及び糸洲安恒から唐手を学び、1939年大日本空手道松濤館初代館長に就任され、人生の指針となる空手道二十訓を定められた教育者でもある(昭和14年錬士称号:大日本武徳会)。

 船越義珍の写真は道場で力強さ・逞しさで人を圧倒させようとはせず、一人の老人が自然体で凛として書籍の前でただ座って撮影されています。船越義珍が生前に、「この人が本当に空手道を習っているんですか」と言われるようになれば、一人前の空手家であると言われていました。船越義珍が辿り着いた道は敵も味方も作らずに皆で手を取り合って仲良くする道であり、それを実現するためには「文は武より勝る」の精神を心得て、稽古生は常日頃から謙虚さを尊び、水に映る月のように幻を追いかけて無意味な人生を送ることなく、日々の稽古の鍛錬と学問の追求の文武両道の精神を磨いてこそ、素晴らしい自分の人生が開けることを伝えています。

【推薦図書】
 義珍の拳(著者 今野敏)発行所 集英社
 空手道教範(復刻版)著者 船越義珍 発行所 榕樹書林(解説:宮城篤正)2012年
 空手道一路 著者 船越義珍 榕樹書林


〇兵法者(武道家)は勝負を争わず(不動知智神妙録(太阿記) 沢庵宗彰)
 蓋(けだ)し兵法者は勝負を争わず、強弱に拘わらず、一歩も出でず、一歩も退かず。敵、我を見ず、我、敵を見ず。天地未分、陰陽到らざる処に徹して、直に功を得べし

(訳:兵法者(武道家)は(勝敗を超越して)勝負を争わない。強弱を競わない。(まず、自己の心の動揺を正すことだけに集中し)、(技を仕掛けなければ)一歩前に出ることも、一歩後ろに退くこともない。敵は私にも相手にも存在しない。(心の葛藤は常に自己に向けられている)。そして、天も地も未だ分かれず、陰も陽も未だ到らざる巳前(宇宙の法則に一切無駄な人や物はない)の処に眼を着けて、すなわち争わずして、すべての人を活かし、善く勝つ心を養うことにある。)




歴史と伝統を継承する松濤館道場

『空手の型は自分を守る「受け」から始まります
 「勝つこと」よりも「負けない」ことが武道の教えです』


  日本空手道松濤館 第四代館長 瀧田良徳
  (中央大学空手部師範/令和元年 瑞宝単光章)

【松濤館道場】
 1945年東京大空襲で「松濤館」道場(豊島区雑司ヶ谷)は焼失しましたが、1976年に再建(現在、墨田区菊川)されました。




【参考】松濤館歴史年表

 1922年 船越義珍、文部省主催の第一回古武道体育展覧会で本土初の公開演武
 1930年 大日本空手道研究会発足(主催者:船越義珍)
 1936年 大日本空手道松濤會に名称変更 初代会長 船越義珍
 1939年 大日本空手道松濤館設立 初代館長 船越義珍就任
 1945年 松濤館道場の建物が東京大空襲により焼失
       終戦、GHQによる武道禁止令
       柔道、剣道等の武道を禁止する通達(旧文部省)
 1952年 武道禁止令解除(全ての武道の稽古が許可)
 1958年 日本空手道松濤會発足 第二代会長 船越義英
       ※青少年育成等の社会貢献を目的とした伝統武道再開
 1976年 日本空手道松濤館 第二代館長 江上茂
       ※初代松濤館を継承、船越義珍を始祖とする空手道場を松濤會が再建
 1995年 日本空手道松濤館 第三代館長 高木丈太郎
       (元三菱地所代表取締役社長/H5年旭日重光章、H15年藍綬褒章)
 2016年 日本空手道松濤會 第三代理事長 中尾秀光
       (元三井住友銀行専務取締役/元ホウライ株式会社社長)
       日本空手道松濤館 第四代館長 瀧田良徳



−孔仁門クラブの沿革−
 
1995年 神奈川県広報(神奈川県庁発行)生徒募集
     藤沢市公認の青少年育成サークル活動開始
     孔仁門クラブ同好会発足  
2012年 孔仁門クラブ同好会大庭支部発足
2013年 日本空手道松濤會支部認定
2015年 孔仁門クラブ創立20周年記念演武大会
2023年 孔仁門クラブ松濤會支部10周年(創立28年)



−令和7年度孔仁門クラブ年間行事予定−

(1月)
11日 新年祈願(円覚寺)
(4月)
12日 孔仁門クラブ前期審査会
(5月)
XX日 ゴミ・ゼロクリーンキャンペーン(湘南海岸) 
(7月)
XX日 夏合宿(ふれあいの村) 
(9月)
28日 第3回松濤館総合演武大会
(10月)
XX日 明治公民館祭(父母参観)
(11月)
6日 学生連盟演武大会(中央大学)
X日 孔仁門クラブ後期審査会
(12月)
XX日 孔仁門演武大会/クリスマス会(プレゼント交換・懇親会)
※ Xは日程が未定